2016年12月28日水曜日

無償の省エネ診断

こんにちは。省エネ委員会です。

今回は、一般財団法人省エネルギーセンター様の無償省エネ診断を受診した時のお話をしましょう。

「無償省エネ診断」は中小企業であるか、年間のエネエルギー使用量(原油換算値)が、100KL以上1,500KL未満の工場・ビルであれば受診できます。
申し込みにあたって最低限必要なものは過去1年間の使用エネルギーの記録です。
当社はせっかく診断を受けるのですから準備した詳しい資料もお送りして診断に役立てて頂きました。


診断日は2011年2月14日でお二人の診断員の方がいらっしゃって工場内を熱心に見て頂きました。
報告書は1か月以内に頂けて、さらに希望すれば詳しい説明にも来ますとのこと。
クロージングミーティングで報告書に各内容は概略お伺いが出来て、すぐ実施できそうな内容だったので翌日から行動に移すことが出来ました。


ご指摘いただいた内容は、

エネルギー使用状況としては、

①省エネ意識が現場作業員までいたっていない。
②エアコン、コンプレッサーなどのフィルターが汚く色々な機器の管理が十分行われていない。
ということでした。
不良発生の原因や設備故障の原因にもなりますとの指摘を頂きました。


エネルギー管理状況としては、

①エネルギーの見える化が不十分
②保守・管理が不十分
③計測・記録が不十分


上記の指摘をふまえて提案を頂きました。
詳しい試算は報告書で頂いたのですが、診断日当日のクロージングミーティングで口頭にて説明を聞けました。

以下は提案頂いた具体的な内容です。
これを元に早速「善は急げ」で活動を開始いたしました。


― 省エネ診断による提案 ―

■運用による改善 5件 省エネ効果26.6KL 1,516千円/年

①空調設定温度の緩和 夏季 28℃ 冬季 20℃
②空調機フィルター掃除の徹底
③コンプレッサーの吐出圧削減
④空気配管の漏れ防止
⑤天井照明の間引き


■設備投資による改善 6件 39.1KL 4,063千円/年

⑥空調対象面積の削減
⑦コンプレッサーの台数制御の導入
⑧油圧ポンプのインバータ導入
⑨射出成形機シリンダーの保温対策
⑩水銀をメタルハライドランプに交換
⑪電力計設置による最大電力削減


しかし気になるのは、診断員の方の以下の言葉です。

「省エネ意識が現場作業者にまで及んでいないと感じました。”省エネは人なり”と言われますが、現場作業者を育て、全員参加型の省エネ推進がこれからの課題ですね。」


さて、「省エネ意識」をみんなに持ってもらう効果的な方法は?


省エネ活動を始動させるにあたり、どうやってみんなのやる気を引き出すか考えました。
考えたテーマは簡単に誰でも参加できる「待機電力の削減」です。
前から気になっていたのは、夜間でも機器のランプが結構点いていることでした。
そこで、なぜ機器の電源を切らないのか?切れないのか?現場の人たちの話を聞いて回りました。


すると主な理由は以下の2点でした。

①機械の設定が消える。(バックアップ用のバッテリーが切れている。)
②どのブレーカーを切っていいのか分からない。


まず、待機電力削減の活動を始める前に以上の2つの問題を解消しておきました。

①は、全ての機器のバックアップ用バッテリーを更新し、なおかつ更新のルールを定めました。
②は、管理部署にブレーカーの表示をしてもらいました。

と言うのは簡単ですが、これが大変な仕事となりました。
創業以来40年以上も経ち、その間増改築、機器の移動が繰り返された工場は配線図すらないような状態でした。
配線の整理と調査だけで200万円以上費用を要しました。


根気良く調べてもらい、ブレーカーに表示をしてもらいました。
その後、以前ご紹介した「日次使用電力量グラフ」を掲示して帰宅時にブレーカーを切って帰ることを呼びかけました。


この札は現場の女性社員が自発的に作ってくれたポスターです。
各部署の出口の扉に貼りました。

徐々にですが、現場作業者に省エネに対する意識が芽生えてきました!!